全日講座の今日は、初級生・中級生ともに課題制作に取り組んでいる。
初級生の課題は「板組の木箱の制作」、中級生は「椅子の制作」だ。
木取りで長さを間違えたり、分決めで板を削ったら木目が思ったとおりにならなかったりと、初級生たちを見ると失敗の見本市のようだ。モノづくりには、性格・価値観・ものの見方考え方・判断力…、自分の姿が如実に反映される。
この9ヶ月ほどの制作実習で、初級生たちも木工作業が「できる」つもりになっていることだろう。しかし、スタッフたちのフォローがあって「できている」ことについては、彼らも認識できていないようだ。自分で段取りして、自分で機械セットして、自分で加工精度をチェックして…。いざ自分でゼロから課題制作に臨んでみると、曖昧なまま理解して「できるつもり」になっている自分に直面することだろう。
それでいいのだ。
失敗したっていいじゃない。まずはやってみることが大切だ。
やらないと何も生まれないけど、やってみると何かしら結果が出る。
そうしたら、目標と結果のギャップ認識しよう。
そのギャップを補正すべく、次にやるべきことを決めるんだ。
ネガティブフィードバックを上手に活用することが、
一人前の職人への近道なのだから。
作業工程をフロチャートに落とし込むことで、頭の中を整理する。考えながら作業すると、間違いの元だから。
フタの欠き取り。自分でセットをし始めたが、スタッフのアドバイスを受けて、安全で精度あるセットにやり直し。
組み立てたフタの目違い払い。矩の確認、ちゃんとできてるね。
組み立てたフタの目違い払い。ワークを安定させることが、安全・精度につながる。
小木曽 賢一
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