
工房では、木製ペンケースの組み立てに入っています。
このペンケースのフタと底板には、
訳あって柾目の板を用いています。
柾目とは、年輪がまっすぐ通っているものです。
同じ柾目でも、表情が違うのがわかりますか?
年輪とは別に、ヨコやナナメに走っている模様がありますよね。
ミズナラには特徴的に現れる表情で、虎斑といいます。
下の写真は、柾目の材料を木口から見ています。
同じ柾目でも木口を見ると、年輪の傾きがまちまちですよね。
虎斑は年輪に直交した細胞組織なので、
下の写真で年輪がタテになっているものほど、
キレイな虎斑が現れます。
年輪がナナメになるほど、虎斑は小さくなっていきます。

同じ樹種の木でも柾目と板目では、見た目の表情だけではなく、
その性質が大きく異なります。
ですから、製品を制作する時には、
その性質を頭に入れて加工する必要がありますし、
そもそも設計や加工方法から変わってくることでしょう。
改めて制作図面を見なおしてみましたが、
図面には柾目の指定は特にありません。
なぜ柾目を使わなければいけないのか、
つくり手がそれを理解していなかったら、
長く使えるものを作ることはできないのです。
現場で学ぶのがたくみ塾ですが、
塾生の皆さん、
そこまで理解しながら実習に取り組んでいますか?
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