新入生を迎えるにあたり、たくみ塾での学び方に付き、 「地球の子ども2012.11月号」に寄稿した原稿より抜粋してみる。
木工職人養成事業は、「徒弟制度」に倣った「徹底した現場重視の実践教育」 を特徴としている。 事前学習も練習もなく、入塾式翌日からいきなり現場での本番が始まる徹底ぶり。 現場のスタッフは、塾生に指示を与え、塾生は指示通りに作業をこなす。 スタッフは指示するだけで理屈まではいちいち教えない。
極論だが、 「何も教えない木工塾」といってもいい。何も教えない現場で必要なのは、 自分で学ぶ姿勢を作っていくこと。たくみ塾の「木工修業」の良さは、 経験したものしか分からない。それを言葉でどう表現したものかと悩んでいたら、 こんな文章に出会った。
「学びを発動する一番のポイントは、何が学べるかわからないところに飛び込んで身をおくこと。」 シラバスや目的が明示されているものは、それ以上のことを学べないだけでなく、 そこまでも十分に学べない。身体は、ああこれはそういうことかと既に分かっている (と思っている)環境下では、学ぼうというメカニズムが働かない。
「何をやるか、何のためにやるのか、予めわかっていたら、それは追体験するだけ」 なんにもよくわからないところに、いきなり身を置いて、どうなるのかわからない所で、 全身全霊で、アンテナを四方八方に張り巡らし、センサー全開で身を置く。 そんな時が一番、身体は応対しようと学びの効率が良くなる。
山伏修業プログラム紹介文から引用させていただいたが、まさにたくみ塾の木工修業を説明する内容。今年度の新入生には、たくみ塾での学ぶ姿勢をこの1ヶ月で身に付けてもらおうと、あれこれ試行錯誤しながら挑戦している。
その一つが、日々紹介している塾生のノート。 受け身で学ぶのではなく、興味をもつこと・関心をもつこと。知りたいという欲望を持つこと。ノートに目を通すと、こちらが教えることができることの何倍ものことを、日々学んでいるのがよく分かる。直近の目標は、半年先を歩んでいる先輩をおいぬくこと、かな。
先輩たちも、抜かれないように頑張れ。
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