たくみ塾での職人教育は、他の教育とは性質を異にする。しかし、参考になるのではと思い先週1週間行なったオリエンテーションから、そのエッセンスを書き記している。
教えてもらえると思うな
学校教育の延長にはない「職人教育」では、染み付いている学校教育の学び方を手放させることが肝となる。
私たちは「塾」と銘打ってるから、「木工を教えてもらえる」と受け取られがちだ。しかし「教えてもらう」という受身の姿勢では、どこまで行っても本質的な学びにはならない。せいぜい教えてもらったことが分かる、程度だ。
当塾では、自ら興味関心を持ち自ら学ぶ姿勢を身に付けることから「学び」が始まる。だから「何も教えない木工塾」だと言い切っている。
意味なんて、いちいち教えてられない
新入生たちには、テクニカルタームを1ヶ月で最低100語書き出すことを課している。実際のところ、200語くらい容易に書き出せることだろう。
制作実習の現場では素人の新入生たちを前に、専門用語を交えた指示説明が飛び交っているはずだ。その時に新入生たちは、分かったつもりになってはいけない。分からないことはその場で質問するか、後で先輩に聞くこと。分からないことを、翌日に持ち越してはいけない。とにかくその日のうちに理解をして1日を終わることだ。
そして、先輩たちには、どんなことでも躊躇わずに質問することだ。なぜなら先輩に質問することが、先輩の成長を促すことにつながるのだから。
先輩たちだって、分かったつもりになっているかもしれない。いざ説明しようとすると、分かっていないことに気づくものだ。
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