
一ヶ月経過。
初めての道具、初めての作業。
木の匂いに包まれながら、
手を動かす毎日。
何をしているか、
最初はわからなかっただろう。
でも、今は少しずつ、
身体が覚えはじめている。
作業は、すぐには終わらない。
一つの工程に、何時間もかかる。
ときには、半日。
丸一日。
二日かかることもある。
集中が切れる。
肩がこる。
腰が痛む。
腹が減る。
思い通りにいかない。
先輩の動きが、
まるで別の世界の人みたいに見える。
「どうしたら、あんなふうになれるんだろう」
そんなふうに思うこともあるかもしれない。
でも、大丈夫。
あの先輩たちも、
一年前は君と同じだった。
木工の修業は、
「うまくなる」より、
「続けられるか」が大切だ。
うまくなろうとすると、焦る。
焦ると、力が入る。
力が入ると、
ものづくりはうまくいかない。
だから、焦らなくていい。
「昨日より、ほんの少し前へ」
それで十分。
機械には、機械の覚え方がある。
手作業には、手作業の覚え方がある。
どちらにも、違った集中がいる。
どちらにも、違う動きがある。
そしてどちらも、
身体で覚えることが大切。
頭で考えすぎると、手が止まる。
でも、身体が覚えると、
自然と動きはじめる。
木は、答えを急がせない。
無理をすれば、割れる。
力をかけすぎれば、傷が残る。
だから、木にあわせて、手を動かす。
その繰り返しの中に、
きっと何かが見えてくる。
「続けること」は、強さです。
すぐに結果が出なくても、
やめずに手を動かす。
少しずつ、
自分なりのやり方がわかってくる。
その日その日の積み重ねが、
いつの間にか形になっていく。
一歩ずつ。
昨日より、今日。
今日より、明日。
1%の成長の積み重ね。
これからも、焦らずに、続けてください。
ここには、見守る仲間がいます。
そして、いつも木が待ってくれています。
小木曽 賢一
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