
当塾の木工修業は、ただ木工技術を学ぶだけではありません。それは、自分自身を職人として育てていくプロセスでもあります。そのためには、凡人習慣から職人習慣へと変わっていく必要があります。そして、その変化は一朝一夕で訪れるものではなく、思考習慣、言動習慣、行動習慣、学習習慣、健康習慣といった日常の細かな部分にまで及びます。
まずは、自分の現在の習慣を書き出してみましょう。例えば、「朝、起きてから何をするか」「日々の作業にどれだけ集中しているか」「食事や運動をどうしているか」など、自分の行動を振り返り、現在の「凡人習慣」を確認することから始めます。
次に、木工修業をする身として、あるいは職人としてどんな習慣が必要なのかを書き出してみてください。例えば、
- 思考習慣:常に「改善」を意識して考えること。失敗を恐れず、反省点を学びに変える。
- 言動習慣:正確で無駄のない言葉を使う。言葉に誠意を持ち、相手を思いやる。
- 行動習慣:準備を怠らず、計画的に作業を進める。無駄な動きはせず、集中して取り組む。
- 学習習慣:毎日少しずつでも学ぶ。自分が知らないことを積極的に学ぶ姿勢を持つ。
- 健康習慣:体調を整えるために、食事や睡眠、適度な運動を心がける。
上記は漠然とした内容ですが、より具体的な習慣を書き出すこと。そしてこれらの職人習慣を意識的に取り入れ、3週間続けてみることをお勧めします。最初は、意識的にやらないと忘れてしまったり、元の習慣に戻ったりするかもしれません。しかし、3週間続ければ、少しずつ身体がその習慣を覚えていき、次第に自然にできるようになります。
職人習慣をひとつひとつ積み重ねていくことで、木工修業におけるスキルだけでなく、心の持ち方や生活全体が変わり、次第に「自分は職人なんだ」と実感できるようになるはずです。

ですから、焦らずに一歩ずつ、3週間を目安に新しい習慣を意識的に続けてみてください。最初は意識的にやる必要があるかもしれませんが、それが続けるうちに、次第に「意識しなくても、できるようになる」時がきます。
そして、次の習慣にチャレンジする時がきたとき、また新たに成長を感じられるでしょう。
小木曽 賢一
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