現場で学ぶ実践教育の制作実習で木工を学んでいくということは、一にも二にも素直になるということが一番の早道です。しかしながら、年齢構成も様々な塾生を見ていると、体で覚えるということがいかに難しいことなのだろうということを思います。
個人の素質によっても大きく違いますが、これまでの数多くの塾生を見ていると、年代によって次のような傾向が見受けられます。
10代は、(良い意味で)何も考えていませんから、指示したことを素直に行動に移します。それだけに失敗も少なく、理解力(飲み込み)も早く、成長量(腕の上達)も大きいようです。
20代になると、(良くも悪くも)大学で頭で考えることを身に付けてきますから、指示してもまずは自分が納得行くように頭で考えないと行動に移すことができません。
一生懸命に考えるのでしょうが、スタッフとは視野も視点も違う中で考えた答えに従って行動を始め、結果として失敗をしがちです。プライドが強くなってきますから、失敗しても”すいません”と謝ることができなくなってきます。
30代以上になると、頭で考えることに加えて、(良くも悪くも)それなりに人生の経験値を積んできますから、自分はこうしたいという思いが強く、スタッフの指示とは違う行動をしたがるようになります。
それ故に失敗も多くなってきます。成長量も10代には適わなくなくなってきます。
「まずは自分の考えを置いておいて、素直になること。」
たくみ塾のように、現場で体で覚える場では、年齢によるハンディが如実に現れるように思います。それ故に、ハンディをハンディとして理解し、ハンディを乗り越えるだけのパワーと努力が必要になってきます。
年齢を重ねれば、それだけ別の強みがあるわけですから、その強みを生かしつつどういった木工をしてゆくのかを考える必要もありますね。
年齢に上限を定めていない当塾ですが、年代に応じて求めることが違います。30代が10代や20代と同じ目標を定めていてもダメ、なんです。年代による傾向を理解したうえで自己分析をして、木工に臨んでほしいのです。
小木曽 賢一
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