座学 ~木工の基本を学ぶ。

撮影とは、影を撮ること。

撮影とは、影を撮ること。

こんにちは。
塾長の小木曽です。

今日は、たくみ塾を会場にして「写真撮影講座」を開催しました。
ライターの西川英明さんの企画で、カメラマンの渡部健五さんを講師にお迎えしての、高山開催です。

県内外から20名近くの木工関係者が集まり、西川さんのご厚意でスタッフや塾生たちも一緒に学ばせていただくことができました。

渡部さんは、西川さんの著書の写真を10年以上にわたって撮影されてきた、信頼厚いベテランカメラマンです。これまでに多くの木工作品とその作家たちにカメラを向けてこられました。雑誌『DANCHU』の撮影でも知られ、料理写真の名手でもあります。

その渡部さんが、今回の講座では光の使い方、撮影アングル、レンズの選び方など、写真の基本から応用までを丁寧に教えてくれました。

印象的だったのは、渡部さんのこの言葉です。

「フェルメールの絵画に見るように、光源は横から、ひとつだけ。そして影を生かして立体を表現するんです」

窓から差し込む光を、トレペで拡散。

これまで私は、撮影時には光源を複数使って影を消すのが当たり前だと思っていました。ですが、渡部さんは、窓から差し込む自然光だけで、陰影を活かして作品の奥行きを写し取るというのです。その発想に驚かされました。

そしてふと、木工のことが頭をよぎりました。

私たちの世界でも、慣れ親しんだ方法や「こうするべきだ」という考えに縛られていることがあります。でも、そうした枠を一度疑ってみることで、新たな発見や深みが生まれる。作家や職人として本当に大切なのは、自分自身の感覚を信じて、物事を見つめ直すことではないでしょうか。型にはまらず、五感を働かせて、自分の表現を探していくこと。それが創造の原点だと改めて感じました。

作業を撮る。
いろんなアングルから、撮る。

参加者の皆さんが夢中になって撮影し、互いに写真を見せ合いながら語り合う姿が、とても印象的でした。ひとりひとりが、自分だけの視点を探していたように思います。そんな姿に、学びの本質を見た気がします。

プロのアングル。
顔〜手先〜カメラを直線上に。

この講座を経て、皆さんの「写真」がきっと変わっていくことでしょう。
そして、中級生の皆さん。いま手がけているスツールが完成したら、その仕上がりを、今日学んだ方法で撮ってみましょう。きっと、ものづくりの「伝わり方」も変わってくるはずです。

それでは、またの更新をお楽しみに。

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小木曽 賢一

代表取締役株式会社たくみ塾
森林たくみ塾 塾長 株式会社たくみ塾 代表取締役 オークヴィレッジ株式会社   制作部 生産管理係長   緑の国推進委員長
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