
こんにちは。
塾長の小木曽です。
飛騨清見も、ここ数日の暖かさで雪解けが進み、田んぼの土が少しずつ顔を出し始めました。
でも、朝晩はまだ冷えますね。春が待ち遠しいものです。
さて、3月19日、2名の卒塾生を送り出しました。
今日は、彼らが木工修業を経て得たものについて、お話ししましょう。
「もうダメだ、辞めようかな」
これは、どの塾生も一度は思うことです。
朝から晩まで木と向き合い、失敗を重ねる日々。
同期の何人かは途中で去っていきました。
「腕が良かったわけじゃないんです。でも、とにかく続けました」
そう語るのは、2年間の修業を終えた卒塾生のひとり。
決して器用ではなかったけれど、「辞める選択」だけはしませんでした。
先輩職人の手際の良い仕事を見て、「自分には無理だ」と思うこともあった。
後輩からは、「いつも失敗して叱られている先輩」と見られていた。
それでも、彼は踏みとどまりました。
「ここで諦めたら、終わりだ」
失敗してもいい。
大事なのは、まず手を動かすこと。
そうして少しずつ、「やってみます」が当たり前になっていきました。
気づけば、彼の手は迷いなく木を削り、組み、仕上げていく。
2年前の自分と比べて、確実に成長している。
それが、何よりの成果でした。
木工の世界では、「経験がすべて」と言われます。
でも、経験は最初から持っているものではありませんよね。
手を動かし、失敗し、またやってみる。
その積み重ねが、職人への道をつくっていくのです。
だから、これから修業を始めるみなさんへ。
「できません」「やったことがありません」ではなく、こう言ってみてください。
「やってみます!」
その一歩が、未来を変えていきます。
それでは、またの更新をお楽しみに。
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