今日は、森林たくみ塾の特徴である、現場で学ぶ制作実習について詳しくお話してみましょう。
講座で学ぶ
森林たくみ塾は、木工の基本を学ぶ座学と、仕事としての木工を身に付ける制作実習の二本立てが特徴です。
座学はイメージしやすいでしょう。カリキュラムに従って講座が進行し、スタッフが提示する課題の制作を通じて、木工の基本を学んでいます。課題制作では、たとえ失敗しても完成度が高くなくても、大した問題ではありません。よくできている課題作品も、近くで見ればたくさん粗が見えることでしょう。課題の制作を通して知識や技術を学ぶことが大切なのです。
現場で学ぶ
一方で、制作実習は、モノづくりの現場です。品質・納期・原価・粗利の制約をクリアーすることが日々求められます。実際の商品づくりを手がけるなかで、木工技術のみならず、職人としての心構え、仕事に対するプロ意識など職人習慣を身につけていきます。課題制作とは、実技の質が全く違うのです。
失敗から学ぶ
とはいえ、塾生たちはしょせん素人です。いくらスタッフが目を光らせているとはいえ、制作実習の現場では日々どこかで誰かが何か失敗しています。ただし、失敗を失敗として終わらせないのが、森林たくみ塾の制作実習なのです。制作実習という場は、失敗をたくさんして、失敗を正面から受け止め、失敗の原因を探り、次にうまくいくための対策を講じていくのです。
うまくやることではなく、失敗から学びを得ていくことが本当の学びなんだと思うのです。
答えを教えては成長しない
経営的に言ったら、塾生に失敗させないほうが良いに決まっています。材料の無駄もありませんし、スタッフが余計に残業したり休出して挽回する必要もありません。一時期は塾生が失敗しないように、全てをマニュアル化したこともあります。つまりは、先に答えを教えておくということですね。塾生も、失敗して叱られるよりも、ノウハウという答えを覚えるほうが、学んだつもりになります。しかしそれでは、いつまで経ってもマニュアルが必要になってきます。考えなくなるのです。
特別な人だけか?
失敗から学ぶなんて、強靭な体力と精神力がなければ、モノづくりの資質がなければ、特別な人しか学べないのか?というと、そうではありません。
”モノづくり”をシゴトにするぞ!
”モノづくり”を通して、◯◯をする!
というあなたの決意と、本当にそこを目指すんだという意志が必要なだけです。
小木曽 賢一
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