森林たくみ塾では、ものづくりを学びに来た塾生たちに、“つくっているだけでいいのだろうか?”という質問を常に投げかけている。それは、森林たくみ塾がモノづくりを教えるだけの場ではないからだ。
地球環境から見た“森林”の役割を学び、森林から素材として入手する木材を扱うことの意義を理解し、長く使えるものを作ることができる“匠”の技を身につけることが、たくみ塾生としての使命だからだ。
そして森林たくみ塾では、塾生たちを事あるごとに森へ連れて行く。初級生を対象に夏・秋の二回開催する“森林実習”も、そうした取り組みの一つだ。
今回の活動地は、NPOドングリ会が1996年に第1回植樹祭を行なった森だ。数ある活動地の中で、ここ数年は塾生たちと継続的に、この森の手入れを行なっている。
写真は、20年前の第1回植樹祭の様子だ。20年前には、標柱のある場所から森全体を見渡せるほどだったのが分かるだろうか?
植えたのち5年くらいは、ドングリの会で下草刈り活動をしていた。そして、手入れがままならないうちに、森の姿へ成長してきた。そして、林床には笹が生い茂り、成長に従って樹木も混み合ってきた。
笹を中心に下草を刈り風通しを良くするとともに、除間伐をして混みあった樹木の間隔を広げていく。
まずは、木の切り方のレクチャーから。伐採のセオリーに従い、のこぎりを使って受け口・追い口の切込みを入れて切り倒します。
腕くらいの太さ(細さ)の木なんですが、皆で交代して伐っていきます。木が切れる前に息が切れてしまいました。
倒す方向に作る開口部を、受け口といいます。直径の1/3を狙ったんですが、ちょっと深めに切れてしまいましたね。
このあと、受け口の反対側から追い口という切り込みを入れて切り倒します。
切り倒した木は、枝を払って1.5mくらいの長さに切ります。今回は、植樹用の杭として使える幹だけ集めて持ち帰りました。
その後は、下草刈りをしながら上を目指して切り拓いていきます。定点撮影してみましたが、before-afterがお分かりでしょうか?ずいぶん奥の方まで作業が進んでいます。
切り拓いていくと、その先にはホオノキの見事な株立がありました。足を引っ掛けるのにちょうどよい枝ぶり。木を見たら、登るしかありませんよね(^_^;)
この木の周りを整備して、今回の手入れは終了としました。
近くの森に佇む、“与四朗の大トチ”。寄ってみるとその大きさに圧巻。いったい何百年前から、この地を見つめてきたのだろう。人間の時間軸とはスケールが違う、森の時間軸。木を見たら、登るしかありませんよね(^_^;)
高所恐怖症だと言っていたHくんも、この巨木を前にしたら、登らずには居られなくなってしまいました。するすると登ってご満悦の顔。
今夜は宿で自炊をして泊まり、明日の活動に続きます。
森林たくみ塾
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