森林たくみ塾を、単なる木工技術を学ぶ木工塾(木工技術を教えてもらえる)と思って来ると、入塾してから苦労することになります。
それは、たくみ塾が掲げる現場で学ぶ実践教育の制作実習には、何かを教えてもらえる学校というよりは、自分で何かを獲得してゆく修行という要素が強いからのように思っています。
木工を学ぶ場は、全国の職業訓練所、専門学校、大学などの公的機関のほか、木工塾、木工教室、弟子入りなど様々な場があると思います。それぞれに、到達目標も、得られる木工技術も、木工の指導方法も特徴があると思いますから、資料を取り寄せるだけでなく自分の足で赴いて肌で感じて担当者から話を聞いて見ることをオススメします。
木工塾・森林たくみ塾では、徒弟制度に倣った現場重視の実践教育を特徴としています。それは、皆さんが経験してきた「小・中・高・大」の学校教育とは、学び方・学ぶ姿勢が180度違うはず。
若い人ほど順応が早いですが、たくみ塾に入塾した初級生たちも、初めの2~3ヶ月ぐらいは学び方の違いに戸惑いがあるようです。受身の姿勢ではダメで、常に周りに興味・関心というアンテナを張り巡らし、どんな事でも吸収しようという姿勢が大切になります。
ですから、自分で日々の課題を設定し、自分で確実に獲得していく意志がないと、何も教えてもらえないという状況に陥ってしまうこともあります。最近は見学に訪れる人に、たくみ塾では木工を何も教えませんよとの言い方もしているぐらいです。
ほんとうの意味での学びの場だからこそ、そこで身に付けたことは非常に強い木工職人としての経験値の積み重ねとなるのです。
(補足説明)
だからといって、特別な人しかダメなのかと云うと、そうではありません。
新入生たちは全員、あなたと同じように木工の素人。木工経験も木材知識も全くありません。そして何より今どきの若者は受身の姿勢が強い人ばかり。そして五感も鈍い人ばかり。どちらかと云うと職人としては、マイナスからのスタートです。
木工を志すあなたと彼らの間に、違いは何もありません。強いて言えば、覚悟でしょう。2年間の木工修業をやり抜く覚悟、そして自らの夢を実現させる覚悟です。
小木曽 賢一
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