こんにちは。
11月も中盤に差しかかり、山は秋色に染まりました。
少し前、10月半ばの話になりますが、初級生たちと一緒に清見町内の巨樹・巨木を巡りました。
訪れたのは、源太郎のイチイ、夏厩神社の大杉、二本木の与四郎のトチノキ、そして彦谷のミズナラ彦左衛門。どの木も、この土地の長い時間を見つめてきた“森の長老”たちです。


与四郎のトチノキの前では、誰も最初は近づこうとしませんでした。
けれど、根元の大きな空洞を見つけて「中に入れるよ」と声をかけると、Iさんが恐る恐る覗き込み、「わあ!すごい!」と声を上げました。木の内部は空洞になっていて、体を潜らせると、そのまま幹の中を伝って上へ。あっという間に、木の上から笑顔で顔を出しました。周りからも思わず拍手と笑い声が。木と塾生が触れ合った、まさに一瞬の出来事でした。


そして最後に訪れたのが、樹齢900年のミズナラ「彦左衛門」。

まだまだ元気な彦左衛門
往復1時間の林道を歩き、ようやくたどり着いたその姿は、まさに“山の守り神”。
塾長が静かに話します。
「50年前は、この森には、この大きさの木がたくさんあった。でも、みんな切られてしまった。多くの使い道は、化粧合板やパルプだ。形が悪いから、彦左衛門だけが残されたんだ」
塾生たちはその言葉を聞き、木を見上げたまましばらく無言でした。
“使う”ということ、“残す”ということ。木をどう扱うかは、人の考え方そのもの。
900年の風と雨に耐えたミズナラを前に、私自身も改めて思いました。
この森にある一つひとつの木が、どんな時間を生きてきたのか。
そして、私たちはその続きを、どうつないでいくのか。
Keyでした🍃
それでは、またの更新をお楽しみに。
小木曽 賢一
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