コラム

モノづくりへの誘い④ 一歩を踏み出す準備ができたあなたへ

モノづくりへの誘い④ 一歩を踏み出す準備ができたあなたへ

3回にわたって、“作る”ということをいろんな角度から見てきた。

原点を思い出し、責任を知り、型を極める——。

その続きとして、最後は「一歩を踏み出す」話をしたい。

ここまで読んできたあなたは、もう気づいているはずだ。

“モノづくりを仕事にする”というのは、単に技術を学ぶことでも、安定した職を得ることでもない。

それは、自分の人生の舵を、もう一度自分の手に取り戻すことだ。

社会人として働く中で、「このままでいいのか」と感じた瞬間があったと思う。

効率も組織の歯車としての役割も、否定はできない。

でも、自分の中の“作りたい”という声を無視し続けると、どこかで心がすり減っていく。

人は、手で何かを作るときにだけ、「生きている」という実感を取り戻す瞬間がある。

その手応えを仕事に変えていく——それが、職人の道だ。

たくみ塾では、入塾説明会の最初にいつも一つの問いを投げかけている。

「あなたが“作る”という言葉に惹かれたのは、いつの記憶ですか?」

木を削る感触、父親の工具箱の匂い、夏休みの工作で夜遅くまで手を動かしていた時間。

その記憶の中に、今も変わらずあなたを動かしている原点がある。

それを思い出したとき、「自分の中の時間が戻ってくる」と感じる人は多い。

そこにあるのは懐かしさではなく、未来へのヒントだ。

モノづくりの道を選ぶということは、自分の時間を丁寧に使うことでもある。

一枚の板、一本の線に、思考と感情を注ぐ。

それを続けるうちに、技術が育ち、人が変わる。

そして、変わった自分が作るものが、やがて誰かの暮らしを変えていく。

その循環が、職人という生き方の本質だと思う。

もちろん、簡単な道ではない。

収入や将来への不安もある。

それでも、多くの塾生がこの道を選んでいるのは、“本当の喜び”を知ってしまったからだ。

形になった瞬間の静かな感動。

使ってくれた人の笑顔。

その一つひとつが、日々の支えになる。

モノづくりの世界は、あなたを待っている。

完璧な準備はいらない。必要なのは、「やってみたい」という心の熱だけだ。

入塾説明会では、木工の現場を実際に見て、塾の考え方や学び方を直接確かめてもらっている。

気になることは何でも聞いていい。

あなたが抱えている不安や迷いも、

ここでは一緒に言葉にできる。

まずは、入塾説明会に参加してみよう。

そこから、自分の手で生きる人生が、少しずつ動き出すはずだ。

そして、「自分にしかできないモノづくり」を形にしていこう。

シリーズを通して伝えたかったのは、“作る”という行為の中にある静かな強さだ。

それは派手ではないが、人の暮らしを支える根っこになる。

あなたがその根を伸ばす側に立つ日を、心から楽しみにしている。

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小木曽 賢一

代表取締役株式会社たくみ塾
森林たくみ塾 塾長 株式会社たくみ塾 代表取締役 オークヴィレッジ株式会社   制作部 生産管理係長   シルヴァンの森推進委員長
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