社会に出て数年。
建築や設計の世界に身を置きながら、
「あれ、自分は本当に“作っている”のだろうか」
と感じる瞬間はないだろうか。
図面を引く。プレゼンをする。プロジェクトを回す。
どれも立派な仕事だ。
けれど、ふとした拍子に、心のどこかがざらつく。
手を動かして、何かが形になっていくあの感覚——
それが遠ざかっている気がする、と。
子どもの頃、紙とハサミと段ボールがあれば、何時間でも没頭できた。
完成形よりも、作っている途中が楽しかった。
あの感覚が、あなたを工学部や建築学部に進ませたはずだ。

でも社会に出ると、モノづくりは「設計」や「開発」に置き換わり、
あなたの手はキーボードを叩いている。
数字を追ううちに、“作る”が“管理する”にすり替わっていく。
それは悪いことではない。社会を動かすためには必要な役割だから。
ただ、「本当のモノづくりの楽しみ」を仕事の中で感じ続けるのは、思っているより難しい。
たくみ塾には、同じような違和感を抱えて飛び込んでくる社会人が多い。
「大学で学んだことを活かせていない気がする」
「もっと、自分の手でつくりたい」
そんな声が、毎年のように届く。
塾で学び直した彼らが口をそろえて言うのは、
「作ることを通して、自分を取り戻した」ということ。
木を削り、形にしていくうちに、感覚が戻ってくる。
頭で考えるよりも早く、手が動く。
それは、幼少期の原体験にもう一度触れるような時間だ。
本当のモノづくりの楽しみは、「自由に作れること」ではない。
制約の中で、自分の考えと素材の声をどうつなぐか。
その過程にこそ、面白さがある。
それを日々の仕事として積み重ねていくと、いつしか社会の役に立つ形になっていく。
「作ることを通して人の役に立つ」
それが、たくみ塾が考える“モノづくりを仕事にする”ということだ。
では、どうすればその世界に踏み出せるのか。
まずは、自分のモノづくりの原点を思い出してほしい。
子どものころ夢中になった“あの時間”を、要素に分けてみる。
何を作っていたのか。なぜ面白かったのか。どんな気持ちだったのか。
それを少しずつ言葉にしていくと、「自分が本当に作りたいもの」の輪郭が見えてくる。
たくみ塾の入塾説明会では、そんな原点を整理するワークをしている。
今の自分がどんな方向に進みたいのかを一緒に見つめ直す場だ。
経験や技術よりも、まずは“想い”を持って来てもらえればそれでいい。
まずは、入塾説明会に参加してみよう。
“作る”を仕事にするための最初の一歩を、そこで確かめてみてほしい。

小木曽 賢一
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