一般的な木工スクールでは、「木という素材を、どのように加工してモノを作るか」に取り組むわけですが、当塾では、「木という素材を、なぜ使わなければならないのか」というところまで深堀りして学びます。
座学では、人と森林の関わりや森林の働きなどを学びますが、知識だけ蓄えても分かったつもりになるだけで、使えるものではありません。当塾ではやはり、「経験から何を学ぶのか」を問い続けます。
今年度は、8月24日(土)~25日(日)の2日間掛けて森林実習を行いました。写真とともに、活動をふり返ります。
森の手入れ
オークヴィレッジの裏山、シルヴァンの森をお借りして実習を行いました。
今回の作業は2つ。
一つは、クロモジの苗を来年の春に植える場所の下草刈り。そしてもう一つは、林床を明るくするための除伐。
クロモジは、手入れのされてない鬱蒼とした森や、日差しの強すぎるところは苦手です。適度に日が差し込む林がクロモジが好む林です。
下刈りは、剪定バサミと手鋸を使って、チョキチョキと進めました。
刈っていい草本と残しておくものを予め決めて、樹種を同定しながら進めるためです。
剪定バサミでも、短時間で意外なほどの広さが切り開かれました。
続いて、細めのコナラを選んで伐採。狙った方向に、ドンピシャで倒れ込みました。
伐ったコナラは枝まで、そして低木のウリカエデも、林内から運び出しました。
木工にはちょっと細いのですが、ワークショップなどの素材として、使います。
巨樹に逢いに行く
2日目は、清見町内の巨樹巡り。
まずは、彦左衛門に逢いに行きました。飛騨の昔話とともに、この樹が残された経緯を講座の時間に話しています。こんな巨樹が至る所に生えていた時代が想像できるでしょうか。
遠くから探しても、塾生の目では見つかりませんでした。近くに寄ると、その大きさに驚かされます。
2日間の森林実習での体験を通して、それぞれに森林を腑に落とし込めただろうか。
小木曽 賢一
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