森林たくみ塾の木工修業は、何も教えない。
これは、
学校教育の頭で学習する学習方法から、
五感で理解する学習方法への切り替えを徹底するためだ。
あるいは、
学校教育の受け身の学習方法から、
能動的な学習方法への切り替えのためだ。
職人に必要なのは、五感で知ることだ。
現代生活では、過剰なノイズが五感を刺激している。
手触り、匂いなどの感覚は、すっかり麻痺してしまっていることだろう。
さて、今日一日五感をフルに働かせた新入生たちの感想は如何に。
棚板の色合わせを経験し、材木の手触り、木目、色、重さがそれぞれ大きく異なることに驚きを感じた。
同じ種類の材木でも別物のように感じる。木は本当に奥が深い。
色の違いに特に興味が湧いた。
色は赤、黄、白、黒に分かれていたが、なぜそのように色に違いが出るのか。
木のどの部分がどのような色なのか。
なんの前知識もないまま木に触れるよりも、事前に学び、確認することが大切だということを、色合わせで感じた。
学ばなければならないことは山のようにありそうだ。
塗料の拭き上げ、明日の梱包準備を行った。
塗装前と塗装後では手触りが異なり、塗装後は木が水分を吸いざらつきが感じらた。また、同じ種類の木材でも、塗料の色が違うと材種が違って見えるほど雰囲気が変わった。
ブラウンはウォールナットのような色合いになった。
他の色のついた木材だとどうなるのか。オイル仕上げだったため木の質感は残ったままだった。
ウレタン仕上げだと、質感はプラスチックのようになるのか。明日の梱包作業では、お客様に届いたとき喜んで頂いただけるよう、ミスなく丁寧にペースを考えながら仕上げていきたい。
また、製品の乾燥前と乾燥後の質感、匂い、色の変化にも着目したい。
色合わせや巾切り、分決め、長さ切りの工程で500枚近くの木材を触りましたが、どの材にも個性が見られました。
色や木目、導管が多くみられスカスカのようなものから詰まったもの。
似たような色があっても木目が違ったりして逆もある。本当に奥深く様々だった。
こういった違いを的確に見分けられるようになりたい。また木取り途中の段階のものは欠点や耳が残っていたり表面がザラザラで汚れているように見える。
だが製材が進むにつれて木の美しい部分がでてきて手触りも心地よくなっていった。様々な木を見ていると、ワクワクが止まりません。
初日から制作を進めている製品の仕上げ面取り段階では、目視だけでは角が取れているか分かりにくく、指で触って確認する必要があった。
今日行なった塗装工程では、オイルを塗布することで無塗装状態では気づかなかった傷などが浮き出てきた。
そのため、塗装時にはよく目を凝らして傷などがないかをチェックする必要があった。これからも五感を鍛えることでさまざまな気付きを得たい。
これから夏までの、気温や湿度の変化による木材への影響にも注意したい。
スタッフに教わらなくても、五感を働かせるだけで、さまざまなことが得られたようだ。
そして、五感だけでは得られないものを、もっと知りたいと思うようになってきたようだ。
わざわざ教えなくても、知りたいという知識欲が芽生えれば、この先どんどん学んでいくことだろう。
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