初級生たちはこの8ヶ月ほどの間に、講座で手工具を学び、板組の木箱の制作に取り組んできました。
制作実習でも数百の商品を制作する中で、経験値もかなり上がってきました。
講座では現在、スツールの制作に取り組み始めました。
スツールの制作では、座るという機能を追求するとともに、脚物の基本構造としてのホゾ組みの構造と加工方法を実技を通して学んでいきます。
課題の内容が提示されてからの2週間、それぞれに練りに練ったアイデアを持って、スタッフによる審査に臨みました。
オーソドックスな構造のスツールで、工程の段取りと正確な加工に取り組む者。
四方転びの仕口で規矩術を理解しながら角度のある難易度の高い加工に臨む者。
カラクリを取り入れて遊び心のある、動きのあるスツールに臨む者。
それぞれにアイデアを凝らしていますが、◯◯を優先するあまりに、△△の検討が甘い、のように、経験の浅さから、狭い視野に捕われがちです。
スタッフから、
仕口の構造は?
動荷重に対しての強度は確保できるの?
座り心地は?
加工方法は?
デザイン的なバランスは?
面の処理は?
・
・
・
と矢継ぎ早に質問されて、四苦八苦の塾生たちです。
問題点を再検討して新たに審査に臨み、年明けから制作に掛かっていきます。
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制作実習で求められる「品質・納期・原価・粗利」は、課題制作では求めていません。
いいモノをつくるのが目的ではなく、自らデザイン・設計をして、自らの手でつくってみることで初めて分かることを学んで欲しいのです。
スタッフがどんなに親心からアドバイスをしても、無視してやってしまうこともあります。
失敗しないで上手に作るよりも、失敗してようやく分かることのほうが大きい時もありますからね。
そうしたプロセスを経ることで、モノづくりの勘所が身についていきます。
森林たくみ塾
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