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今ならまだ4月スタートできます。
今年こそは木工を始めませんか。
詳しくは、こちら。
木工は勉強するな
日本人に多い「勉強すれば」という信仰。
勉強していい大学に入り、いい企業に就職し…
戦後の高度成長期は、企業戦士=サラリーマンが牽引してきたと云える。
そして、サラリーマン育成に特化しているのが、日本の戦後教育だと云われる。
「詰め込み教育」は、既知の答えをいかに早く導くかを問われる。
そのために記憶を主体とする教育は、判断をさせなさせないための教育だとも云われている。
「偏差値教育」は、本人のやりたいことではなく、点数で進路を決めるシステムだと云われる。
乱暴すぎる言い方かもしれないが、
偏差値の高い者が大学に進学して企業を支えるサラリーマンの道に進み、
偏差値の低い者が工業高校に進学して職人の道に進むものとなった。
だから日本の学校教育では職業教育を行わないし、
職人の地位が低くなってしまったともいえる。
企業の戦士として扱いやすい人材を大量に育成するのが日本の学校教育だといえる。
つまり、質の高いサラリーマンを大量に育成するには優れた教育システムだったのだ。
しかし、サラリーマンになりさえすれば、という時代はとうの昔に終わっている。
終身雇用も崩れているし、大学を出ても就職が保証される時代ではない。
大企業と言えどもあっけなく倒産してしまう時代だ。
なのに、相変わらず日本の学校教育ではサラリーマン教育を続けている。
そして、あなた自身も間違いなくサラリーマン教育を受けているはずだ。
そしてあなたは、サラリーマンの道でなく木工職人・家具職人の道を歩もうとして、
ここに辿り着いているのではないだろうか。
しかし親も先生も、サラリーマン教育以外のものを知らないのが現実だ。
職人になるためにどうしたら良いのか情報を持っていないから、じぶんたちの経験で語るしかない。
木工が勉強できる家具の専門学校や木工スクールへ通ったら?
木工技術を勉強できる職業訓練校へ通ったら?
そして、あなた自身も木工職人になるためには「木工を勉強しなければ」と考えているはずだ。
ところが、どれだけ木工を勉強しても、木工職人・家具職人にはなれないことを、
どれだけの人が知っているだろう?
木工を勉強した結果。
森林たくみ塾では、職業訓練校の卒業生を塾生として受け入れしたことが3度ほどある。
ところが、1年間木工を学んできたというアドバンテージが見えないのだ。
それどころか、同期の木工経験ゼロの新入生に、いともたやすく置いてけぼりをくってしまったのだ。
訓練校のゆったりした時間の流れに慣れてしまった身体は、たくみ塾の時間の流れについては来れなかったようだ。
訓練校の名誉のために付け加えておくが、強い信念を持って訓練校に学び、独立して立派な仕事をしている作家さんはたくさんいらっしゃいます。
つまりは、人は低きに流れるものだということだ。
あるときは、筆記試験で抜群の成績を収めた木工経験者をスタッフとして採用したことがある。
しかし、現場に入れてみると理屈はこねるが手が動かないのだ。そう、仕事ができないのだ。
よくよく聞いてみれば、前職もそれでクビになったそうだ。
頭の良さと職人としての能力は、全く別物ということだ。
あるときは、大学院まで木工を勉強していた者を、スタッフとして採用したことがある。
足掛け6年くらいは、木工を勉強してきたはずだ。ところが、現場に入ってみると体が動かないのだ。
木工経験ゼロの新入生の動きについていけないのだ。
木工の先生としてならやっていけるのだろうが、残念ながら職人としての芽は出なかった。
以来、木工を勉強してきた者と偏差値の高い者は、警戒して見極めるようになってしまった。
あなたには解るだろうか?
木工なんてどれだけ勉強したところで、木工職人・家具職人にはなれないということが。
では、どうしたら良いのだろうか?
先ずは仕事を覚えなさい。技術は後からついてくる。
かつて高山にあった木工の専門学校で木工講師をしていた私たちは、
学校の教室では職人を育てられないとの結論にたどり着いてしまった。
そして理想の職人教育は、自分たちで始めるしかないと、1991年に森林たくみ塾を開塾したのだ。
以来、徹底した現場重視の実践教育、つまり職人教育を実践しているのだ。
当時としては誰もやったことのない試みで、全て手探りで始めた。
気づけば既に28年目。これまでに巣立った職人は250名を超えるまでになった。
永く続けてきたこと、そして育てた職人の数が、本物の証だと言える。
職人教育の実績。
森林たくみ塾OBは250余名に達する。
彼らは、あなたと同じように木工未経験で入塾してくる。
そして2年間の木工修業を経て一人前の木工職人(経験者)となった彼らは、
社会に出て即戦力として活躍していくのだ。
職人不足の業界で、木工経験者は貴重な存在だ。
就職の斡旋など殆どしないが、2年間で磨いた腕を頼りに就職活動をする彼らに、就職できない者はいない。
そして、その80%に達する200名余りが現在でも木工の世界で活躍している。
そして、50余名が卒塾後も高山に定住している。
豊かな大自然は、子育てに最適のようだ。
オークヴイレッジ・飛騨産業・柏木工・木馬舎・SHIRAKAWA…
高山の主要な家具メーカーで活躍する彼らは、飛騨高山の家具産業を支えているのだ。
後継者育成に力を発揮する者もいる。
開校時に木工のカリキュラム編成に携わった岐阜県立森林文化アカデミー。
その歴代の木工講師は、全て森林たくみ塾OBが占めている。
そして、高山にある飛騨職人学舎の講師も、森林たくみ塾OBが占めている。
また、組織に所属しないで個人で仕事をしたい者が多いのも、たくみ塾生の特徴として挙げられる。
彼らは、数年後には独立して、木工家・木工作家・家具作家と呼ばれる世界に飛び込んでいく者たちだ。
「独立しても木工なんかで飯が食えないよ」などと揶揄されるのが、木工家の世界らしい。
実際に、木工が生業となっていない木工家も少なくはないだろう。
そんな中、独立心旺盛なOBたちは、37%に上る94名が独立を果たしている(退塾後に独立している者も併せれば、優に110名は超える)。
皆さんしっかり木工でメシを食っているし、家族を養なうだけに留まらず職人を抱えている者もいる。
そして皆さん素敵なライフスタイルを謳歌している。
そして、木工界を牽引する実力派が多いのも、たくみ塾OBの特徴だ。
彼らは、たくみ塾で木工技術を勉強した訳ではない。
彼らは木工修業を通して仕事を身に付けたのだ(身に付く木工技術は、他校の比ではないが…)。
だから、仕事としての木工ができるのは当たり前のこと。
だから、さらなる高みを目指しているのだ。
夢を夢で終わらせないために。
木工を仕事にしたいという夢を実現するために。
あなたも知らない、2年後に職人として活躍するあなた自身に出逢うために。
さあ、木工の勉強を捨て、木工の経験を積みにこないか。
森林たくみ塾
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