座学

中級生課題『サンプルピースボックス』 Web上・作品展

掲載がずいぶんと遅れてしまいました。
中級生の課題、『サンプルピースボックス』の作品プレゼンテーションと写真撮影を行いました。

中級課題 『サンプルピース・ボックス』
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木工では、さまざまな種類の木を扱います。
その木の見本(サンプルピース)を収納する箱を企画・制作します。

この課題では、『収める』という機能について考えます。
箱の中にどのように収めるのか、あるいはどのように見せるのか。『収める』機能を満足させるために、箱としての『カタチ』・『構造』・『仕口』・『材料の使い方』・『加工方法』・『仕上げ』といった、トータルでのデザインが課題としての重要な要素になります。


たくさんの写真になりますが、一品ずつ紹介していきましょうか。
  (プレゼンテーションでの発表を聞きそびれていますので、コメントがちぐはぐなところがあるかもしれません。ご容赦願います。)

留めにかんざしで組んだ箱の中に、さまざまな樹種で作ったコンテナが並ぶ。その中に丸く加工されたサンプルピースが収まる。コンテナ一個一個が高度な三方留めで組まれている。




同じ外観で、大入れと蟻組みで組んだ二つの箱。何の変哲もないシンプルな外観だが、側にハンドルがついている。ハンドルを回してみると、サンプルピースが波を打つように飛び出してきた。取り出しやすさに、からくりの楽しみが加わる。




蟻組みの箱に、拭き漆仕上げ。漆の色と、白木地のサンプルピースのコントラストがよい。帯で結ぶあたりに、和のテイストを感じる。




同じ外観で、大入れ、留め組み、あられ組み。写真ではわかりにくいが、サンプルピースを次々にめくる動作が心地よい。サンプルピースは、一枚一枚丁寧な手鉋仕上げで、光沢と手触りがよい。




ふたと本体の木目がきれいにつながっていて、一体感を感じる。留めにかんざしで組まれたふたと本体。斜かに切り出したふたの意匠が、斬新。



テープ状のブナを巻きつけて作り出したカタチ。飛騨にかつてあった『千巻き』あるいは、青森の『BUNACO』にヒントを得ているのだろう。石ころのように削り出したサンプルピースと合わせて、木の意外な素材感が感じられる。




一つ一つが別々の樹種で作られた箱。それ自体が木材見本。その抽斗を開けるとサンプルピースが納められている。箱は留め組みで、木目を連続させている。




ふたの鏡板は、ブナのテープの網代編み。鍵を開け、留めにかんざしで組まれたふたを外す。底板に彫られた蟻溝に、サンプルピースの蟻ホゾが収まる。




大入れで組んだ箱に、整然と並ぶサンプルピース。ふたは鉄板、異素材との組み合わせに挑戦。



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自由制作だからどんなことに挑戦してみてもよいのだが、やってみたいことをあれもこれもたくさん詰め込みすぎる傾向が見受けられる。それ故に、作品としての完成度としてみると今一歩といったところだが、不要な部分をそぎ落としていくと、よりよい作品が出来上がるだろう。

加工技術は、及第点。日々の制作実習の賜物か。

8月のアイデアプレゼンから半年ほど掛かったことになるが、実習時間外の限られた時間の中での制作にもかかわらず、様々なことに挑戦して完成にまで至った努力も大変なもの。

要求される機能を、持ち合わせた技術と知識でいかに満たすか。奇をてらったものではなく、本物のデザイン能力をさらに磨くことが重要ですね。
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